願いを叶えるために変化した「観音様」

仏様の頂点には、悟りを開いた「如来」様たちがいらっしゃいます。

そして、そのすぐ後を追いかけるのが、如来様が仕事しやすいようにサポートを続け、もう少しで悟りを開けそうだという状態だといわれている「菩薩」様

そんな菩薩様の中でも、人気も知名度も抜群に高いのが「観音菩薩」です。

なぜ、そんなに人気があるのか。
どうして、観音信仰は広がったのか。

それは、観音菩薩 (以下、観音様)様が、悩んでいる人を救い、願いを叶えようとすぐに力を貸してくださるといわれているからかもしれません。

観音様は、人間の様々な願いを構えるために姿を変化させます。
そして、いろいろなお姿に変化した観音様が生まれ、それらは「変化観音」と呼ばれるようになります。
また、変化観音と区別するために、基本的なお姿をしている観音様を「聖観音」(しょうかんのん)と呼びます。
つまり、数ある観音様とは、観音様が人間の願いに応えるために変化したお姿であると考えられているのです。

ここでは、人間の願いによってお姿を変えた、代表的な変化観音のお姿について見ていきたいと思います。

頭の上に11の顔を持つ「十一面観音」(じゅういちめんかんのん)

観音様は、人間のあらゆる願いを叶えてくれる、とても慈悲深い仏様。

観音様が人間を救ってくれたというおとぎ話も多々残っていますが、その中でも「わらしべ長者」は有名で、そこに出てくる観音様も十一面観音様だという言い伝えがあります。

十一面観音様の特徴は、頭の上にある11の顔。
あらゆる願いにすばやく応えるために、常に全方向を見られるようにと、11の顔は様々な方向を向いています。

また、頭の上の観音様たちには、それぞれ役割や功徳があるとされています。

中には、並び方が違うものがあったり、十一面観音様の本面も入れて十一面とするもの、本面とは別の11の顔を持つものもあるそうです。

しかし、基本のスタイルは、前の三面が菩薩面、左三面は瞋面(しんめん)、右三面は狗牙上出面(くがじょうしゅつめん)、後の一面は大笑面(だいしょうめん)、頂上に仏面(ぶつめん)を配しているのが一般的です。

瞋面は、悪いことをしてはダメだと怒っている様相。
狗牙上出面は、これからもよいことをしようねと語りかけてくれている様相。
大笑面は、悪いことをしたのを知っているよとまるで見透かしている様相。
仏面は、煩悩に悩む人を救うための優しい様相だといわれています。

意味を知ると、これまで以上にじっと見たくなりますね。

千の手と目を持つ「千手観音」(せんじゅかんのん)

観音様といえば、「千手観音」を思い出す人もいるかもしれません。
それくらい、初めてお姿を見た時の衝撃は大きいです。

千手観音様は、その名のとおり千の手を持っています。

しかも、あまり知られていませんが、千の手には目が付いていて、千手観音様は千の手と目を持っているのです。

千手観音様は、十一面観音様が変化したお姿です。
そのため、十一面観音様と同じように、頭上に多面を持つ観音様でもあります。

そして、無限に人を救うために、あらゆる物事を見通す力も持っています。
つまり、「千」とは、「無限」という意味でもあるのです。

千手観音様の仏像は、千本の手があるのかと思われがちですが、よく見てみると、実は42本の手を持つ姿が一般的です。

「千の手を持っていない!」と思われるかもしれませんが、ちゃんと「千手」となる意味が込められています。

千手観音様の手は、中央で合掌している手が2本あり、左右に20本ずつのつ計42本の手を持っています。
この40本の手には、すべての世界を25種類に分けたという「三界二十五有」(さんがいにじゅうごう)を救う力があるとされていることから、40本の手×25種類の世界=1,000本の手となると考えられています。
ただし、中には千本の手を持つ千手観音像も存在しているので、そんな仏様に出会えた時はラッキーかもしれませんね。

また、千手観音様の特徴は、それぞれの手に、それぞれの持物があることです。
もちろん、それぞれに意味や役割があるのですが、それらはすべて人間を救うためのものであるとされています。
そんなお姿を見ていると、千手観音様の慈悲深さを感じずにはいられません。

如意宝珠と法輪を持つ「如意輪観音」(にょいりんかんのん)

最後は、「如意輪観音」です。

如意輪観音様の特徴は、「如意宝珠」と呼ばれる玉と「法輪」を持っていること。

「如意」は如意宝珠のこと、「輪」は法輪のことで、その2つを持っている如意輪観音様となりました。

法輪は、人々の煩悩や迷いを打ち砕きます。
如意宝珠は、願いを叶えてくれます。

その2つの力を持つ如意輪観音様は、膝を立てて座っている姿が多く、とてもリラックスしているように見えますが、実はとてもパワフルな力を持つ観音様でもあるのです。

ちなみに、手の数は2本のものもあれば、6本、12本と様々です。
他の手には、悪を清める蓮華の花を持っていたり、苦悩を祓う念珠を持っていたり。

顔に手をあてている様子は、どうやって人間を救おうかと考えているという、とてもありがたいお姿なのです。

観音様は、やはり実際に会いにいくのが一番!

ここまで紹介した観音様以外にも、まだまだ変化したお姿の観音様が数多くいらっしゃいます。
また、冒頭で紹介した聖観音様のお姿も、いろいろなお寺や寺院で見ることができます。

これらの観音様のお姿を見たいと思った時、本やネットで写真を探すのもいいのですが、やはり直接会いに行っていただきたいと、「あん・はな」は考えています。

例えば、十一面観音様のように、様々な角度から見てみないと、見えないものもあるということ。
そして、それらをどう受け取るかは、その時の受け手の状況にもよると思うからです。

つまり、観音様は人間を悩みから救うために、願いを叶うために、お姿を変化されました。
しかし、その基本のお姿はあっても、見え方はやっぱり1人ひとり違うのではないかと思います。

願いを叶える方法は、きっと一つではない。

観音様は、そんな大事なことを、いつも教えてくれているような気がするのです。

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