様々な姿で伝説を伝える「釈迦」如来像

  • 2022/10/11
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仏様には、階級があります。
その頂点にいらっしゃるのが「如来」様。
悟りをひらき、その境地に達した姿が如来であるとされています。

その中で、実在した人物であり、その一生が教えにもなっている仏教の開祖「釈迦如来(しゃかにょらい)」。

各地にあるお寺で釈迦像に出会うことができますが、いろいろなお姿をしているとは思いませんか?

釈迦像は、そのお姿で生涯の出来事を伝え、私たちに様々な悟りを教えてくださっているのです。

今回は、そんな釈迦如来像のお姿について、ご紹介していきたいと思います。

人間として生まれてきたことを喜ぶ「誕生像」

釈迦如来様は、「お釈迦様」と呼ばれることが多いので、
今回は、愛をこめて「お釈迦様」と呼ばせていただくことにします。

皆さんは、お釈迦様が生まれたお姿をご存じでしょうか?

お釈迦様は、誕生してすぐに、指で天と地を指したといわれています。
幼い童子姿のお釈迦様が、右手の人差し指を上に、左の人差し指を下に向けて指している姿を見たら、お釈迦様が誕生したばかりの、とてもありがたいお姿なのです。

また、この姿をしたときに「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん・てんじょうてんがゆいがどくそん)」と言ったと言われています。

意味は、この宇宙の中で、我は最も尊い存在であるという意味。
これは、「自分が偉い!」と言っているのではなく、
人間として生まれてきたことに最も尊い目的があるということです。

お釈迦様の言葉には、このような言葉もあります。

「三界皆苦 吾当安此(さんがいかいく ごとうあんし)」

三界とは、欲界(欲のみの世界)・色界(芸術の世界)・無色界(精神作用のみの世界)のことであり、これらは全て苦しみの世界であり、本当の幸せはないと説いています。
吾当安此は、お釈迦様は自分は苦しみの人生であったこそ本当の幸せを得たのであり、そのために人間に生まれてきたのだと言っているのです。

手の動きで大事なことを伝える「説法像」

次は、「説法像」です。
これは、お釈迦様が説法をしている姿だといわれています。

説法像には、2つの種類があります。

1つは、転法輪印像(てんぽうりんいんぞう)
1つは、施無畏・与願印(せむい・よがんいん)です。

転法輪印像は、両手を胸の前にかまえ、掌(たなごころ)や指を捻じるような印を結んでいます。
印は、複数の種類があるので、ここが釈迦像の見どころにもなります。
また、転法輪印像は座っているお姿である坐像に限られています。

施無畏・与願印は、右手が施無畏印・左手が与願印になります。
そして、坐像と立像があります。

坐像の場合は、施無畏印は肘を曲げて掌を前にかかげます。
与願印は手を膝に置き、掌を天に向けます。

立像の場合、施無畏印は同じですが、与願印は手を下にたらして、掌を前に向けます。

施無畏印は恐怖心を取り除き安心を与え、与願印は願いに応える姿を現しているそうです。

悟りをひらき入滅する姿を現す「涅槃像」

お釈迦様が横たわっている姿を「涅槃像(ねはんぞう)」といいます。

「涅槃」とは、仏教でいう最終目標です。

涅槃像は、お釈迦様が涅槃に入る状態を表現しています。
つまり、お釈迦様が亡くなった時のお姿であり、亡くなることを「入滅」といいます。

入滅は、「亡くなった」という印象よりも、悟りをひらいたという印象で捉えられます。

欲を持たず、精神作用のみで過ごしていたお釈迦様にとって、
人間として最低限必要だった食事や睡眠などの欲求も必要なくなるのです。

入滅するお釈迦様のお姿は、目を閉じているものは入滅後、開いているものは入滅前を表しているといわれています。この違いを見るのも、涅槃像の見どころです。
また、頭を北に向け、右手を枕にすることで西を向いています。
このお姿で最後の説法をしたとされています。

この世は変化し続けるものであり、だから怠らず精進をしなさい。

人生を全うし、この世で生きることを考え続けたお釈迦様だからこその言葉なのかもしれません。

他にもある!お釈迦様のお姿を探そう!

今回は、誕生像・説法像・涅槃像をご紹介しましたが、実はまだまだお釈迦様のお姿はあります。

成人後に山にこもり、人間として苦悩する樹下思惟像(じゅげしいぞう)

苦悩することが無駄であると知って山を降りる出山像(しゅつざんぞう)

悟りを得るために菩提樹の下に座る定印像(じょういんぞう)など。

お釈迦様の像に出会えたら、
それぞれどんなお姿をしているのか、
どのような状況を表したものなのかを、じっくり眺めてみてください。

そこから、私たちは悟りを得ることができるのだと、「あん・はな」は考えています。

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