【あん・はな神様図鑑】猿田彦大神

  • 2022/11/14
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神様のことを知れば、神社へのお参りがもっと楽しくなる!
これは、「あん・はな」で何度もお伝えしていることです。

最近、ニュースや街の様子を見て、不安に感じることはありませんか?
そんな時こそ、不安に負けず、とにかく一歩を踏み出してほしい。

そんな思いから、今回の【あん・はな神様図鑑】は、猿田彦大神をご紹介します。

「みちひらきの神様」とされている理由

猿田彦大神は、とても神秘的かつミステリアスな存在として神話で描かれています。

天照大御神から地上を治めるようにと、高天原から降りてきた天孫・邇邇芸命(ににぎのみこと)。
この出来事を、天孫降臨といいますが、そんな邇邇芸命御一行の前に、突如現れたのが猿田彦大神です。

まるで天狗のような容姿で、神々を待ち伏せしていた神様。
そんな正体不明の猿田彦大神に、声をかけたのは天鈿女命(あめのうずめのみこと)でした。

猿田彦大神は、自分が国津神であるとことを伝え、天津神である邇邇芸命が高天原から降りて来ると知り、その道案内がしたいと待っていたと伝えます。

そして、猿田彦大神の導きにより、邇邇芸命御一行は、筑紫日向高千穗の峰へ無事行くことができたといわれています。

この伝説からも、猿田彦大神は「みちひらきの神様」「みちびきの神様」として崇められてきました。現在でも、交通安全、建築、厄除開運、商売繫盛、出世開運、合格・学業成就などのご利益を求めて、信仰を集めている神様です。

猿田彦大神が与える「夫婦円満」のご利益とは?

猿田彦大神は、縁結び・恋愛成就のご利益がある神様としても信仰を集めてきました。

その理由は、邇邇芸命のお供で、最初に猿田彦大神に声をかけた天鈿女命と結婚するからです。

夫婦になった神々の話は多々ありますが、猿田彦大神と天鈿女命の結婚話は特別です。
なぜなら、この結婚によって、天鈿女命が「猿女君」という名前に変えてしまうからです。
猿田彦大神の女で「猿女君」、まさに結婚して姓を変える、現在の結婚の形の元祖ともいえます。

邇邇芸命の道案内が終わると、猿田彦大神は現在の三重県である「伊勢之狹長田五十鈴川上」に戻ったといわれています。この時に、天鈿女命も一緒についていったことで、夫婦になったとされています。

猿女氏とは、朝廷の祭祀を司る由緒ある氏族で、天鈿女命が氏族の祖であるとされています。
そのことから、天鈿女命は芸能の神様、巫女の元祖でもあるといわれてきました。

神話の中で、天岩戸伝説や天孫降臨のくだりで大活躍をする天鈿女命を嫁にした猿田彦大神。
かなり興味深い存在だと思いませんか?

貝に挟まれ、三つの御霊となった神様

神様の道案内をして、さらに羨ましい結婚までした猿田彦大神に、
とても恐ろしい出来事が起こってしまいます。

伊勢之狹長田五十鈴川上の地・阿邪訶(あざか)に住んでいた猿田彦大神。
なんと、ここで釣りをしていた時に、比良夫貝(ひらぶがい)という貝に手を噛まれてしまいます。
そして、そのまま海で溺れてしまい、命を落としてしまったと神話では描かれているのです。
(一説には、海へと放り出されてしまい、必死で泳いで陸へと上がったという説もあり)

比良夫貝がどのような貝なのかは解明されていないそうですが、中には貝ではなく、人を襲い、船を転覆させる化け物であるという考え方もあるそうです。
しかし、本当に貝であるならば、シャコガイ・タイラギなどではないかともいわれています。

猿田彦大神は、ここで海に沈んで命を落としますが、三つの御霊になったといわれています。
底に沈んでいた時の名を「底度久御魂」海水が粒立った時の名を「都夫多都御魂」、泡の弾けた時の名を「阿和佐久御魂」といいます。

伊勢で海を眺める時は、猿田彦大神のことを思い出し、祈りを捧げてみるのもいいかもしれませんね。

道に迷いそうになったら、お参りに行こう!

今回は、猿田彦大神をご紹介しました。

猿田彦大神には、いろいろなご利益があるといわれています。
その一つひとつにちゃんと理由があって、今も信仰を集めているのも納得です。

何よりも「みちひらき」という言葉は、とてもオールマイティに感じます。

また、海の底にあった比良夫貝は、海底に住む大きな貝。
まるで、自分自身の心の奥底にある不安のようにも思います。

人生の中で、何度も道に迷いかけることがあると思います。
そんな時、猿田彦大神をお祀りしている神社へお参りしてみましょう。

猿田彦大神を通して、自分が進みたい道について考え、今一度自分自身と向き合ってみる。
それが、道に迷いそうになった時、不安に振り回されそうになった時の解決策になるかもしれません。

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