ご利益だけじゃない!「あん・はな」神事記②健康運にまつわる神様たち

  • 2022/10/12
  • ご利益だけじゃない!「あん・はな」神事記②健康運にまつわる神様たち はコメントを受け付けていません

神社やお寺にお参りに行くと出会える神様たち。

でも、神様たちのご利益ばかりに意識が向いて、
その神様たちが持つ本来の魅力に気づけていますか?

「〇〇様って、長寿の神様よね!」
「●●様にお参りすると、健康になれるよ!」

そんなことばかり言っているあなたに教えたい!
ご利益だけじゃない、神様の魅力をご紹介する「あん・はな」神事記。

今回は、健康の神様にスポットをあて、あん・はなが考える神様の魅力をお伝えしてきます!

薬の神様「少彦名命」

健康祈願といえば、この神様は外せないと言っても過言ではない「少彦名命(すくなひこなのみこと)」医薬・酒・温泉の神様であり、様々な病から救ってくださる神様として信仰されてきました。

神話でも、重要な役割を担う、貴重な存在として描かれています。

少彦名命は、海の彼方にある「常世の国」から渡ってきた小人神。
昔話である『一寸法師』のモデルともいわれています。

神話では、国造りについて悩んでいた大国主命の元にやってきます。
乗り物は、天之羅摩船(あめのかがみふね)というカガイモの実で作った舟です。

実は、少彦名命は神産巣日神(かみむすびのかみ)の子どもであり、国造りを手伝いにきたというのです(『日本書記』では、高皇産霊神(たかみむすびのかみ)の子どもです)。

大国主命の国造りをサポートをする際に、医薬や酒造、おまじないに関する法をまとめたといわれ、それがご利益に繋がっているようです。

また、温泉の神様とされているのは、病にかかった少彦名命を救うため、大国主命が大分で有名な源泉を運び、その温泉で体を休めることで病を治したとされている伝説から。
その時に造られた温泉が道後温泉のはじまりである、この物語から伊豆・箱根の温泉の起源であるなど、いろいろな説が伝わっています。

豊かさの神様「豊雲野神」

次にご紹介するのは、『 古事記 』では 「豊雲野神(とよくものかみ)」
『 日本書紀 』では「 豊斟渟尊(とよくむぬのみこと)」とされている神様です。

ここでは、豊雲野神と表記します。

豊雲野神は、雲と豊穣な大地を神格化した神様とされています。

豊雲野神は、五穀豊穣の神様です。
「雲」が「豊か」にあるという状況は、雨をもたらすもの。
雨が大地に降り注ぎ、「野」にある農作物を実らせることからきているのだと考えられているようです。

そして、豊雲野神は無病息災のご利益があることでも知られています。

無病息災を実現するには、生命力が必要です。
自然の恵みである雨が降っても、大地そのものに生命力がなければ、農作物は育ちません。
「雲」と「野」を名前に持つ豊雲野神の無病息災に関するご神徳は、ここから伝わってきたことなのかもしれません。

豊雲野神が祀られている神社は多くはありません。
しかし、古代には豊雲野神を祀る歴史があり、縄文時代から信仰されてきた神様ではないかと言われています。また、豊雲野神は、決着をつけたいとき、争いをおさめたいときにもご利益があるともいわれています。

健康長寿の神様「吉備津彦命」

吉備津彦命(きびつひこのみこと)は、古代日本の皇族であり、第7代・孝霊天皇の皇子です。
現在も、神様としてお祀りしている神社があります。

また、昔話「桃太郎」の主人公である桃太郎のモデルだといわれています。

神様として祀られている吉備津彦命(きびつひこのみこと)のご利益は健康長寿です。
吉備津彦命には、人知を超える力があり、281歳まで生きたという伝説があります。

実は、吉備津彦命には、健康長寿の他にもたくさんのご利益があるといいます。
産業の発展や金運向上、安産・育児・子宝に関すること、学業や芸の上達などを祈願する人もいるそうです。
ご利益が多いのは、それだけ地域で様々な逸話や伝説が残り、英雄となっていた証。
お墓があり、桃太郎伝説でも有名な岡山で、吉備津彦命はヒーローだったのでしょう。

そもそも、吉備津彦命は記紀でどのように描かれているのでしょうか。

『日本書記』では、吉備津彦命は、孝霊天皇の第3皇子として生まれます。
その後、「四道将軍」の1人として西道に派遣されます。

四道将軍とは、皇族で形成された4名の将軍。
西道の他にも、北陸・東海・丹波に派遣されたといいます。

西道に派遣された際、武埴安彦命とその妻の吾田媛の謀反が起こり、吉備津彦命は吾田媛を討ったとされています。
また、『古事記』には、一緒に派遣されたのは四道将軍ではありませんが、弟の若日子建吉備津日子命(わかひこたけきびつひこのみこと)と派遣され、その後に吉備国を平定したとされています。

岡山では、吉備国平定の際に、温羅(うら・うんら・おんら)という鬼を討ったという伝承が残っており、これが桃太郎伝説のモデルになっているとされています。

健康を願う前に必要なものとは?

健康運にご利益のある神さまを集めてみましたが、同じ健康運でも、「病気回復」「無病息災」「健康長寿」などいろいろあることがわかりました。

健康運のご利益を期待してお参りする前に、やっぱり神様のことを知っておくことが大事ですね。
「健康」というカテゴリーの中で、自分が本当に望んでいること、願っていることは何かを確認しておけば、どの神様にお参りしようかも、自然に決まってくるかと思います。

また、健康に必要なものは、それぞれの神様の話からも、知恵・豊かさ・強さなのかもしれません。
神様のご利益を得るためにも、これら3つの要素を自ら育てることが大切であると、「あん・はな」は考えています。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 2023年9月OPEN! 「神社仏閣情報ショップあん・はな 参道店」 「神社…
  2. 2023年からスタートした「縁帯(えにしおび)プロジェクト」。 家に眠っている着物の帯が、御…
  3. 2022年3月OPEN! 神社仏閣情報ショップ「あん・はな」 奈良県生駒市に、神社仏閣情報シ…
掲載テーマについて
まずは、アンケートにご協力ください!
ページ上部へ戻る