お参りの証「御朱印」について学ぼう!
- 2022/9/27
- あんはな文庫
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神社やお寺にお参りさせていただいた証としていただける「御朱印」。
最近では、御朱印の多様化によって「気軽に始められる」と、御朱印を集める人が増えています。
御朱印に関しては、神社やお寺によっても、
また、それぞれを管理する方々の考え方によっても、そのルールは多様化しています。
「あん・はな」は、いろいろな楽しみ方があってもいいと考えていますが、
思いっきり楽しむなら、まずは御朱印について学んでほしい、知ってほしい!
そこで、今回は知っているようで知らない「御朱印」について、「あん・はな」的にご紹介します!
そもそも、「御朱印」とは?
御朱印を集めるなら、「御朱印とは何か?」をまずは知っておきましょう!
御朱印は、神社やお寺をお参りした際に、その参拝の証としていただくものです。
墨書きと押印、さらにお参りした日を入れてくれます。
押印される印章が「朱」の色であることから「朱印」となりました。
元々、御朱印は、お寺にお経を納める「納経」の証明書として発行されていたものが原型であるとされています。
特に、江戸時代から寺社に納経することが流行し、その証として押印をいただく「納経帳」を持つ人が増え、これが御朱印帳の原型であるとされています。
明治時代までは、神社もお寺も同じものだと考えられていた「神仏習合」の考え方が基本でした。
しかし、神社(神道)・お寺(仏教)が別の宗教であるという「神仏分離」の政策が始まり、神社とお寺は分離。そこから、神社が独自の御朱印を始め、それが増えていったとされています。
現在、御朱印帳は一般的に蛇腹のものが多いですが、このスタイルの御朱印帳が一般化したのは、大正時代です。
神社とお寺の御朱印は違うもの?
「御朱印は、神社とお寺を分けないといけませんか?」
これは、「あん・はな」でも、よくある質問になっています。
神社とお寺の御朱印は、同じお参りの証でありながら、実は内容は大きく違います。
お寺の御朱印は、ご本尊様のお名前を墨書きし、朱印を押します。
ご本尊を表す「宝印」と、右上に「参拝」の印、そして山号や札所番号を記す印が押されます。
神社の御朱印は、神社の名前を墨書きし、その上に朱印を押すもの。
神社の名前が朱印として押され、参拝の日付を墨書きするものなど、いろいろなものが見られます。
神社のほうが比較的自由な形式になっているのも神社の特徴であり、だからこそ集めたくなるのかもしれません。
ご本尊である仏様を御朱印とするお寺と神社そのものを神様として御朱印とする神社。
「神社とお寺の御朱印は分けるべき」
「元々、神仏習合だから分けなくていい」
と、議論される方もいらっしゃいますが、それぞれの御朱印の意味合いさえ理解しているのであれば、「お参りの証」として一緒にしてもいいのではないかと、「あん・はな」は考えています。
ただし、現在でも神社やお寺で御朱印をいただく際に、
神職さんや住職さんから「神社とお寺を分けないのですか?」と聞かれることがあります。
その場合は、そのような考え方もあるのだと理解し、その場で受け継がれてきた信仰の形を受け入れることも、信仰の一つの楽しみ方だと思います。
もし、御朱印をいただきにくいと感じたら、最近増えている「書き置きの御朱印」をいただくことも一つの方法だと思います。
御朱印の意味をしっかり理解しておくことで、しっかり自分の楽しみ方、信仰との向き合い方を持って楽しめる余裕を身に付けておく。それこそ、参拝上級者の心得かと思います。
御朱印は、神仏との縁を繋いだ証でもある!
「御朱印を、同じ場所で何個ももらうのはダメですか?」
これも、よくある質問です。
「御朱印は、一つの場所で一つだけ」という考え方もあります。
もし、そのような決まりごとがある神社やお寺では、その考え方に従ってください。
もし、そのような決まりごとがなかった場合、それは一人ひとりの気持ち次第。
御朱印は「参拝の証」であり、「神仏とのご縁を繋いだ証」でもあると、
「あん・はな」は考えています。
例えば、たくさんの仏像が安置してあるお寺や、たくさんの神様が祀られている神社では、
その日、お参りをさせていただき、自分の心が最も動かされた神様・仏様の御朱印をいただくのもいいでしょう。そして、どうしても一つに選べない場合は、複数の御朱印をいただくのもいいと思います。
ただし、その前提として理解していきたいのは、「お参りをして、御朱印をいただく」ということ。
御朱印にルールがあるとすれば、ここだけはしっかり守っていただきたいと思います。
参拝は、神様・仏様との出会いの場でもあります。
その日、その場所で出会い、自分の心が動かされたことに意味がある。
「あん・はな」ではそう考え、御朱印をもっと楽しんでいただけたらと情報を発信しています。
御朱印は、スタンプラリーではいけないのか?
「御朱印を、スタンプラリーと勘違いしている!」と言う人がいます。
前述したように、時代によって御朱印の仕様や考え方は、これまでの変化してきました。
昭和の時代は、境内にスタンプを置いていた神社やお寺も多かったそうです。
昭和の時代は、スタンプブームがあり、様々な観光地にもスタンプが置かれ、スタンプラリーがブームになりました。
しかし、神社やお寺にスタンプだけを押しにきて、お参りをしていかない人が増え、そこから今の御朱印のスタイルに戻ったともいわれています。
もし、「スタンプラリーと混同するな」という意見があのであれば、この時代と同じような失敗を繰り返さないようにという教えからなのかもしれません。
しかし、10年くらい前のことを振り返ると、
キャラクターが表紙の御朱印帳を持っていこうものなら、「そんなところに御朱印できない!」と、御朱印を断るお寺や神社もありました。それを思えば、御朱印の歴史は、この10年でも大きく変化しています。
ルールや考え方は変わろうとも、絶対に忘れてはいけないのは神様・仏様を敬う気持ちと、その場所をお参りさせていただく感謝の気持ちです。
例え、御朱印がスタンプラリーのようになっているとしても、一人ひとりが尊敬と感謝の気持ちを忘れずに楽しくお参りできるのであれば、それが正解ではないかと「あん・はな」は考えています。