【あん・はな神様図鑑】少彦名神

  • 2022/10/31
  • 【あん・はな神様図鑑】少彦名神 はコメントを受け付けていません

神社に行くと出会える神様たち。

でも、その神様たちのこと、ご存知ですか?
「名前は聞いたことあるけど…」で終わってしまっていませんか?

神様に興味を持てば、もっとお参りが楽しくなる!
今回は、名前は聞いたことがあるけど、何となく知っている神様「少彦名神(すくなひこなのかみ)」です。

「すくなひこな」を「すくなひこ」と呼ぶ人もいるので、意外に「少名彦神」と書く人も多いので要注意です。

そんな少彦名神を、「え?薬の神様でしょ?」と認識している方に読んで欲しい!
さて、少彦名神はどんな神様なのでしょうか?

少彦名神がやってきた「常世の国」とは?

少彦名神は、『古事記』では少名毘古那神、『日本書紀』では少彦名命と記されています。
ここでは、少彦名神と記します。

一寸法師のモデルにもなったといわれている神様です。
その姿はとても小さく、記紀では「天の羅摩船」という植物の実でできた舟でやって来ます。

少彦名神は、「常世の国」からやってきた神様として描かれています。

常世の国とは、神話に出て来る海の彼方にあるとされる異世界のことです。

古代の人は、海の向こうに理想郷のような国があると信じていたのでしょう。
古代の人にとっての理想とは、、、不老長寿
不老長寿を手に入れることができる国があり、人々が描いていた理想の姿がそこにあったのかもしれません。

そんな国からやってきた少彦名神は、まさに不老長寿の象徴だったのでしょう。

ちなみに、常世の国は、現在の三重県熊野灘の向こうにあるとされていたそうです。
第11代天皇・垂仁天皇は、常世の国に行って「非時香菓(ときじくのかくのみ)」をとってくるように命令したという言い伝えがあります。この実は、「橘」のこと。つまり、みかんです。

そう思うと、いつもコタツで何となく食べているみかんも、何だかありがたくなりますね。

悩んでいた大国主神を助けにきた「小さな神様」

神話で、少彦名神が登場するシーンは、とても有名です。

現在の美保岬で、海に向かって坐り、国造りについて悩んでいたという大国主神(おおくにぬしのかみ)。その大国主神の前に、天の羅摩船に乗った小さな神様が現れるのです。

「あなたは誰ですか?」
そう聞いても、その小さな神様は答えてくれません。

そこで、大国主神はいろいろな神様に「あの神様が誰ですか?」と聞いてまわります。

面白いのは、ここで大国主神が聞いた神様たち。

多邇具久(たにぐく)と久延毘古(くえびこ)は、ヒキガエルの神様と案山子の神様です。
どちらも田んぼにいそうな神様ですね。ここも、神話の面白いところです。

そこで、久延毘古から、「その小さな神様は、神産巣日神(かみむすびのかみ)の子ども」だと教えてもらうことができました(『日本書記』では、高皇産霊神(たかみむすびのかみ)の子ども)。

大国主神は、神産巣日神に尋ねます。
すると、「私の子どもです。その子が国造りを手伝います」と言ってくれるのです。

悩んでいたら、ヒントが海の向こうからやってくる。
これぞ、まさしく神様の引き寄せパワー!…のような、何とも凄い展開が神話では描かれているのです。

「大国主神」の国造りをサポート!

少彦名神と大国主神の出会いは、衝撃的な出会いとなりました。

その後、神産巣日神のいうとおり、少彦名神は大国主神の国造りをサポートします。
少彦名神は、薬の神様として信仰されてきました。
国造りのサポートとは、医薬について伝え、様々なおまじないの方法をまとめたといいます。
また、酒造に通じ、さらに穀物を各地に伝えました。

さらに、少彦名神と大国主神は、とても仲良しになります。

それを表す、面白い話が『伊予国風土記』があります。
ある時、少彦名神が病にかかってしまいます。
心配した大国主神は、大分・速水の湯の源泉を地下から四国・道後の地に持ってきました。
その温泉で体を休めた少彦名神は、見事回復します。
これが、道後温泉のルーツだといわれています。

少彦名神の神話から、私たちの生活に欠かせないものがたくさん整えられています。
今生きている私たちが聞いても「少彦名神さま、ありがとう!」と言いたくなるほどの活躍ぶりです。

健康・日常があってこその幸せ

ここまで、少彦名神についてまとめてみました。

少彦名神は、不老不死の象徴でもある常世の国から来ました。
不老長寿ということが本当に実現できるのだとすれば、そこからやってきた少彦名神が実現した国造りのサポートの数々は、私たちが日常を健やかに過ごすために大切なものなのかもしれません。

皆さんは、どう思われますか?

神社をお参りした時に、少彦名神がお祀りされているお社を見つけたら、少し感謝を伝えてみるのもいいかもしれませんね。

神様のことを知れば、もっと神社やお寺が楽しくなる!
また、素敵な神様のことを、こちらでご紹介したいと思います。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 2023年からスタートした「縁帯(えにしおび)プロジェクト」。 家に眠っている着物の帯が、御…
  2. 神社仏閣情報ショップ「あん・はな」 は、2022年3月に、奈良県生駒市でオープンしました。 …
  3. 「あん・はな」は、神仏を身近に感じて暮らすことをテーマに、いろいろな情報を発信していきます! …
掲載テーマについて
まずは、アンケートにご協力ください!
ページ上部へ戻る