ご利益だけじゃない!「あん・はな」神事記①商売繁盛・財運にまつわる神様たち

「ここの神様は、金運アップのご利益がある神様だよ」
「商売繁盛を祈願するなら、ここの神様にお参りするといいよ!」

こんな会話を、神社を参拝する時に耳にすることがあります。

もちろん、間違ってはいないのですが、ご利益だけで覚えるのではなく、しっかりと神様のことを知ってほしいと、「あん・はな」は考えています。

そこで、もっと神様が好きになり、もっと神様に会いに行きたくなる『神事記』シリーズ。
記念すべき第一弾は、「商売繁盛」「財運」「金運」のご利益をいただけると人気の神様たちです。

商売繁盛を叶える判断力・事代主神

最初は、商売繁盛の神様として人気の高い恵比寿(えびす)様。

恵比寿様は、神話に出てくる事代主神(ことしろぬしのかみ)と同一視されています。
また、国生み・神生みの話の中で登場する水蛭子(ひるこ)とも同一視され、「蛭子」は「えびす」とも読みます。

恵比寿様の特徴は、「釣り竿」「鯛」です。

元々、恵比寿様は、漁業の神様として信仰を深めていました。

漁業の神様なので、魚を取り扱う市でも祀られるようになったことで、商売繁盛の神様として認識されていったのです。

また、恵比寿様と同一視されている事代主神が登場する「国譲り」の話も興味深いものです。

高天原から次々と使者がやってきて、大国主神(おおくにぬしのかみ)に国譲りを迫る天つ神たち。
悩んだ大国主神は、「2人の息子たちに相談すればいい」と言うのです。

その1人が、事代主神でした。

その時、釣りをしていたという事代主神は、天つ神の要求を受け、あっさりと国譲りを承諾。
そして、船を踏み傾け、手を逆さに打って青柴垣に変えると、そのまま海にお隠れになったそうです。

大国主神も、その様子を聞いて国譲りを承諾しました。さらに、「事代主神が先頭に立てば、自分の180人の子どもたちも事代主神に従い、天津神たちには背かないはずだ」と告げるのです。

国譲りの話で見られる、事代主神の判断力と180人の神々を従わせるリーダーシップ

これこそ、商売繁盛・金運アップのポイントであると、事代主神は教えてくれているのかもしれません。

名前に「財」の字を持つ水の女神・弁財天

次は、恵比寿と同じく七福神の一員であり、その中でも紅一点といわれている弁財天(べんざいてん)。

弁財天は、水の女神

元は、ヒンドゥー教の神様・サラスヴァティーが仏教に取り込まれて弁財天となったといわれています。

さらに、神仏習合によって神道にも取り込まれ、宗像三女神の一柱であり、水の女神でもある市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)と同一視されるようになりました。

ここでは、「弁財天」という字を使って紹介していますが、サラスヴァティーという名前を漢訳すると「弁才天」「辯才天」が正解なのですが、財や富をもたらす女神様として「弁財天」「辯財天」などの漢字が使われるようになりました。
神社やお寺では、時々「銭洗い弁財天」として祀られているのを見かけます。
これは、そこに湧き出ている水でお金を洗うと、それが種銭となってお金を増やしてくれるというものですが、これが成立するのも、水の女神であり、名前に「財」が付く弁財天ならではといった感じです。

また、「ヴィーナ」という名の楽器(琵琶)を持っている弁財天は、音楽・芸能の神様としても信仰を集めています。これは、天の伎楽(楽舞)によって、人々の諸病苦等を除く力があるといわれているからです。

ヒンドゥー教では、弁財天は有名なある川が神格化したものだとされていて、流れるものに宿ると言われています。それは、音楽であったり、時には言葉知識などであることから、芸術や才能を伸ばしたい人たちから圧倒的な人気を誇る神さまでもあります。

その人気は、ただのご利益だけでは得られるものではなく、優美で美しく、さらに強い女性のイメージが強い弁財天だからこそ、惹かれる人も多いのだと思います。

財や富を得るためには、周りの人たちの心を豊かにするような、そんな華のある存在であることが大事だと、弁財天様は教えてくれているのかもしれません。

破壊の神から笑顔で招福・大黒天

最後は、恵比寿や弁財天と同じ、七福神の1人である大黒天(だいこくてん)。

また、大黒天も弁財天と同じで、元はヒンドゥー教の神様・シヴァ神の化身であるとされています。
シヴァ神は、創造と破壊の神様。
ちょっと怖いイメージがありますが、日本では大国主神と同一視され、豊穣と財福の神様として信仰されています。

トレードマークは、手に持っている打出の小槌(こづち)と、背中に背負っている大きな袋。
さらに、米俵に乗っていることです。

商売繁盛だけでなく、農家では田の神様として祀られていたという大黒天。
米俵に乗っているのは、このような諸説からかもしれません。

元々、中国では厨房を守る神様として祀られていましたが、日本ではいつしか台所の神様から「福の神」として信仰を深めていくようになりました。
最初に大黒天を祀ったのは、天台宗の開祖である最澄(さいちょう)であるという言い伝えがあり、天台宗の寺院で祀られるようになったのが始まりとされています。

しかし、大黒天への信仰が広まったのは、天台宗のお寺に祀られていたことに加え、大国主神と同一視されていたことも要因の一つだといわれています。

では、なぜ大国主神と大黒天は、同一視されるようになったのでしょうか。

それは、名前が似ていること、さらにふくよかな容姿のイメージもあったようです。
心優しくモテモテだった大国主神と、いつも福々しい豊かな笑顔がトレードマークの大黒天。
商売繁盛と金運アップのポイントは、愛と笑顔であることを教えてくれているのかもしれません。

時代は変わっても、大切なことは同じ!

ここまで、商売繁盛や金運・財運アップのご利益で有名な神様たちを見てきました。

こうやって見ていると、商売を繁盛させるために、金運を引き寄せるために必要なことを、受け取ってもらえたのではないでしょうか。

「判断力」「リーダーシップ」「優美」「強さ」「優しさ」「豊かさ」「笑顔」など、これらは時代が変わろうが、いつの時代も財を得るために必要なものであったのだと、神様たちが教えてくれているようです。

ここで紹介した神様たちは、七福神の一員でもあります。

七福神をもっと見ていくと、まだまだ金運アップのヒントが隠れているように思うのですが、それらのヒントを得るには、やはり神様たちの特徴をしっかり知っておくこと、どんな神話や言い伝えがあるかなどを理解しておくと、神社やお寺を参拝した時に、そこでしか得られない面白いメッセージを受け取ることができるかもしれません。

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