モテモテの神様「大国主神」を巡る女神たち

日本の神社には、たくさんの神様が祀られています。

その中でも、日本の神話に登場する神様たちの存在は神秘的で、私たちの日常の中では想像できないようなストーリーが展開されていきます。

今回、注目するのは、

神様の中でも一番のモテ男と言っても過言ではない「大国主神」(おおくにぬしのかみ)。

「大国主命」(おおくにぬしのみこと)という名前のほうがポピュラーかもしれませんし、島根県の出雲大社では、御祭神「大国主大神」(おおくにぬしのおおかみ)として祀られ、その他にも、たくさんのお名前を持ち、全国各地で祀られています。

人の縁を司る神様として人気の大国主神 ですが、実は大国主神は女神たちにもモテモテだったようで…。

今回は、そんな大国主神をとりまく女神たちについて、見ていきたいと思います。

白兎の伝説と最初の妻神

大国主神が関わる、数ある伝説の中で有名なものの一つが、「因幡の白兎」です。
これは、「古事記」に登場する神話の1つです。

因幡国で、困っていた白兎を助けた心の優しい大国主神は、ある女神様の心を射止めます。

その女神とは、八上比売(やかみひめ)です。

大国主神の最初の妻神となる女神様です。

八上比売は、大国主命の兄弟である八十神たちの求婚をはねのけて、大国主神を選びます。
しかし、それがかえって、八十神の妬みをかってしまうことに。

八十神たちは、大国主神の命を何度も狙い、 大国主神は二度も命を失ってしまいます。

しかし、母神や女神たちの計らいによって、何度も蘇る大国主神(この時点で、既にモテモテの雰囲気が漂っています)。
その後、このままでは危ないと、大国主神は根の国に逃げることになります。
もちろん、八上比売はここで置いていかれるわけですが、これでは新婚生活どころではありません。

その後、出雲で国造りを始めた大国主神は、八上比売を呼び寄せたというのですが…。

気が強く、とても賢く、嫉妬深い正妻

兄である八十神たちから逃げるため、建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)を頼って根の国まで来た大国主神。とても荒々しく、魔力を使うこともできる建速須佐之男命には、一人の娘がいました。

それが、須勢理毘売命(すせりびめのみこと)です。

大国主神と須勢理毘売命は、出会ってすぐに恋に落ち、結婚することを決めます(情熱的!)。
現代の常識では、なかなか考えにくい馴れ初めですね。

しかし、須勢理毘売命が建速須佐之男命に大国主神を紹介すると、建速須佐之男命は大国主神を蛇のいる部屋や蜂とムカデのいる部屋に寝かせるという数々の試練を与えます。

大事な娘を任せるために試しているのか、ただの嫌がらせなのか。
建速須佐之男命の仕打ちに、大国主神は絶対絶命のピンチ。
そこで機転を利かせ、大国主神をフォローして救ったのが須勢理毘売命でした。

結局は、安心しきって眠っている建速須佐之男命の髪を柱に縛り、2人は一緒に逃げることになります。
そして、この時に追いつけないと悟った建速須佐之男命から与えられたのが「大国主神」という名前
さらに、須勢理毘売命を本妻として八十神を平定するように、そして立派な宮殿を建てるようにと大国主神に伝えたのでした。

結果、須勢理毘売命は、大国主神の本妻となります。

その後、出雲を拠点とした大国主神は最初の妻神である八上比売を呼び寄せるのですが、嫉妬深く、父と同じく荒々しい性格をしていた須勢理毘売命を恐れて、故郷へと帰ってしまいました。

求婚の歌を受け入れて、神様を産んだ女神

本妻である須勢理毘売命と結婚した後も、大国主神のモテモテぶりは止まりません。

なんと、今度は高志国の沼河(高志は「越」ともいい、現在の福井県~山形県の一部とされる)に住む女神を娶りたいと考えます。

その女神とは、沼河比売(ぬなかわひめ)です。

大国主神は沼河比売の家まで出向き、外から求婚の歌を詠みます。
沼河比売は、その歌に応じ、2人は翌日の夜に結婚しました。

もちろん、この時も本妻である須勢理毘売命は嫉妬し、その様子に慌てふためいた大国主神は大和国へ逃げます。
そして、逃げる際に、須勢理毘売命に対しても歌を詠むのです。
須勢理毘売命もその歌に応じ、二神は杯を交わして、その後も仲睦まじく暮らしたというのですが…。
ここに来て、少し須勢理毘売命 がいじらしくも見えてきますね。

ちなみに、沼河比売は大国主神との間の子神として、建御名方神(たけみなかたのかみ)を産んだという伝承が新潟県糸魚川市に残っているそうです。

建御名方神は、諏訪大社に御祭神として祀られている神様です。

沼河比売は、今でも神様の母神として、子宝・安産の神として信仰されています。

まだまだいる!?大国主神の妻たち!

今回は、モテ神・大国主神に翻弄される3人の女神たちをご紹介しましたが、実はまだ大国主神の妻神とされる女神様たちはいらっしゃいます。

沖ノ島の沖津宮に祀られ、宗像三女神の一柱でもある多紀理毘売命(たぎりひめのみこと)

神屋楯比売命(かむやたてひめのみこと)は、一説には多紀理毘売命と同一神であるといわれています。
しかし、鳥耳神(ととりのかみ)という女神様は、大国主神の6番目の妻だといわれているので、これで6人なのか。
まだ、他にもいるのか?(笑)

神話で語られているからこそ、私たちが知ることのできる神々の恋物語。

恋のいざこざを見るのも楽しいのですが、恋物語の中に見え隠れする土地を守っていた氏族との縁結びや歴史を堪能するのも、神話の楽しみ方の1つだと思います。

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