【あん・はな神様図鑑】太陽の神様・天照大御神

  • 2022/9/28
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知っているようで知らない神様のはなし。

「あん・はな」でも、
「神様の名前は知っているけど、詳しくは知らない」
「そもそも名前が覚えられない」
という声をよく聞きます。

神様に興味はあるけど、イマイチよくわからない。

そんな神様たちを紹介する【あん・はな神様図鑑】
今回は、最高神として崇められている天照大御神をご紹介します。

「天照大御神」「天照大神」どちらが正しい名前?

「天照大御神と天照大神、どちらが正しい名前ですか?」
この質問に答えるとすれば、どちらも正しく、どちらも正しくない…です。
ここでは、敢えて「天照大御神」と記します。

日本の神々について記されている記紀に、主神として登場する天照大御神。
実は、登場する記紀によって、違った名前で記されています。

『古事記』では、天照大御神。
『日本書記』では、天照大神。

どちらも、「あまてらすおおみかみ」とよみ、天照大神と記されている場合は「あまてらすおおかみ」とよむことも。

祀られている神社によっては、違う名前で記されていることもあります。

大日女尊(おおひるめのみこと)
大日孁(おおひるめ)
大日女(おおひめ)
と記されていたら、「これは、太陽の女神・天照大御神だ!」とテンション上がってください(笑)

天照大御神は、一般的に女神として描かれていますが、
「実は、天照大御神は、男神だ」という人もいます。
いろいろな諸説があるようですが、大日女尊・大日孁・大日女と記されている神社では、女神様としてお祀りされています。

気になるのは、大日孁と記されている「孁」の字です。
実は、この「孁」という漢字は、日本書記にしか登場しない漢字だともいわれていて、
この字を解体すると「日霊女」となるのだとか…まさか、読み方は「ひみこ」!?

…と、いろいろな想像ができるわけです。

ちなみに、天照大御神の名前という意味では、神社で奏上される祝詞では「天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)」と名前を呼ばれています。
神社で祝詞を奏上していただく機会があれば、是非注目してみてください。

3人姉弟の長女!高天原を統治するしっかり者の女神様

天照大御神には、2人の弟神がいるとされています。

妻・伊邪那美(いざなみ)の後を追って、黄泉の国(死者が住む国)を訪れた伊邪那岐(いざなぎ)。

妻の変わり果てた姿に驚き、伊邪那岐は黄泉の国を脱出します。
その際に穢れた体を清めるため、伊邪那岐は川で身を清めます。

この時、伊邪那岐の禊によって生まれた神様は、たくさんいます。

身に付けていた装具等から生まれた神様が12柱。
落とした垢から生まれたのが、底筒之男命(そこつつのおのみこと)、中筒之男命(なかつつのおのみこと)、上筒之男命(うわつつのおのみこと)の3柱です。

そして最後に、顔を洗った時に、3柱の神様が誕生します。

左目を洗うと、天照大御神が。

右目を洗うと、月読命(つくよみのみこと)が。
鼻を洗うと、須佐之男命(すさのおのみこと)が生まれます。

月読命と須佐之男命は、男神とされているので、天照大御神の弟と表現されることが多い神様たちです。

伊邪那岐は、天照大御神は高天原を、須佐之男命は海の世界を、月読命は夜の世界を治めるようにと伝えます。

この後、暴れん坊として語られる須佐之男命がいろいろな事件を起こすことで、ストーリーが進んでいきます。

天照大御神は、須佐之男命の素行に頭を悩ませます。
須佐之男命の行いはどんどんエスカレートし、最終的に天照大御神は我慢の限界を迎えてしまうのです。

天岩戸伝説! 日本女性が「太陽の女神」に憧れる理由

須佐之男命の素行の悪さに心を痛めた天照大御神は、岩戸の中に身を隠し、籠ってしまいます。

太陽の神様が、真っ暗な岩戸の中に身を隠してしまうことで、照らす光がなくなった世界は真っ暗になります。
真っ暗になった世界では、禍いが蔓延するようになります。
この状況に困り果てた八百万の神々は、知恵と能力を出し合い、天照大御神を岩戸から出す壮大なプロジェクトを決行することになります!

天照大御神は、何やら賑やかな様子の外の世界が気になり、岩戸を少しだけ開けて外を覗きます。

「あなたより、尊い神様が現れたことを、みんなが喜び、祝っているのです!」

そう言われて、さらに気になって身を乗り出した天照大御神を岩戸から引きずり出し、世界に光が戻るというお話です。これが、天岩戸伝説です。

天岩戸伝説は、一人の女神が太陽の神様としてまばゆいほどの光を放ち、その姿を見せなくなったことで世界さえも真っ暗闇にしてしまったという、女性としてはちょっと憧れてしまうような存在として天照大御神を描いています。

それと同時に、弟の我儘な行いで傷ついたからと言って、周囲のことや自分の役割も考えずに岩戸に身を隠してしまい、さらに自分で隠れておきながら、自分よりも尊い神様が現れたと言われたら気になって出てきてしまう、そんな人間らしさも兼ね備えているような姿で描かれているのが面白いところです。

天照大御神に会いに、神社にお参りに行こう!

最高神・天照大御神の神話を改めて読んでみると、少し親近感も出てきませんか?

もしかしたら、自分も太陽の女神様のように輝ける存在になれるかも!

少しでもそう感じたら、天照大御神が祀られている神社へお参りに行きましょう。

天照大御神が祀られている神社といえば、やっぱり三重県にある伊勢神宮が有名です。
伊勢神宮の参拝はもちろんですが、自分の住んでいる街にある神社や旅行で訪れた地の神社などで、天照大御神を祀るお社を探すのも楽しいはず!

その際は、どのお名前で表記されているのかもチェックしてみてくださいね。

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