河俣神社(かわまたじんじゃ)
曽我川の畔に鎮座し、創始から約3,000年の歴史があるといわれている由緒ある古社。
御祭神は、 鴨八重事代主神(かものやえことしろぬしのかみ)。
新任の出雲国造が天皇に対して奏上する『出雲国造神賀詞(いずものくにみやつこかんよごと)』には、「事代主命の御魂を宇奈提の神奈備に坐せ」とあり、事代主命の御魂は宇奈堤(うなて)の神奈備におられると記されています。
国譲りの際、いさかいを避けるために、大国主神の子・事代主命を宇奈堤の地に祭り、出雲の国の守護にしたという言い伝えも残っています。
万葉集との縁も深く、
「真鳥住む 雲梯の杜の 菅の根を 衣にかき付け 着せむ児もがも」(巻7・1344 作者不詳)
「思わぬを 思ふといはば 眞鳥住む 雲梯の杜の 神し知らすむ」(巻12・3100 作者不詳)
に出てくる「雲梯(うなて)の杜」は河俣神社のことで、恋歌が歌われるような名勝であったことが窺えます。
『日本書記』(巻29)によると、成務天皇の時代、この地は高市県に属しており、高市御県鴨八重事代主神社(たけちみあがたかもやえことしろぬしじんじゃ)と呼ばれていたと考えられています。
それがいつの頃からか、河俣神社の西南約200mの地に鎮座していた川俣八王子が川俣社と八王子社の二社に分けられるようになり、この地が河俣神社と称されるようになりました。
現在も、大阪にある住吉神社で行われている埴使神事の際、畝傍山の埴土(はにつち)を求めて住吉大社の 埴使いが訪れるお旅所となっており、埴使いが河俣神社で装束を整えることから「装束の宮」の名でも親しまれています。
御祭神 | 鴨八重事代主神(かものやえことしろぬしのかみ) |
鎮座地 | 奈良県橿原市雲梯町689 |
拝観 | 予約制 |
参拝可能日 | 随時 |
参拝時間 | 自由 |
参拝料金 | なし |
行事 | 2/22 祈年祭 9/4 例祭(秋祭り) ※現在は、体育の日の前日。 11/26 新嘗祭 |